当初計画

 大井川用水の基幹水利施設は、昭和22 年度から昭和43 年度に施行された国営大井川農業水利事業で整備されましたが、事業完了後30 年が経過し、施設の老朽化による機能低下が生じていました。また、営農形態の変化等による用水需要の変化や、周辺地域の開発等による水田排水からの再利用可能量の減少やため池の減少等による用水不足から、安定的な用水供給や適正な水配分が困難な状況になっていました。

 

 このため、本事業及び関連事業によって地区内の水利施設の再整備を行うことにより、農業用水の安定供給、合理的利用及び管理方法の改善を図り、本地域の農業経営の安定を図ることを目的に、国営大井川用水農業水利事業を平成11 年度に着手しました。

 また、川口取水工、大井川幹線水路、大井川左岸幹線水路、赤松幹線水路(上流部)、向谷幹線水路(上流部)は、農業用水のほか水道用水、発電用水及び工業用水との共有施設であり、各事業者との共同事業として実施しました。 

変更計画

 当初計画の目的に、本地区の農業用水が従来から有している地域用水機能(防火用水、景観保全)の維持・増進を図ること(後述)を加えるとともに、一部の末端用水路を取り込んで、平成21 年8月に国営農業用水再編対策事業(地域用水機能増進型)として事業計画を変更しました。

 

  なお、用水を再編する中で、関連事業として編入を予定していた「相賀」、「大津」(以上島田市)、「坂部」(牧之原市)及び「上垂木」、「遊家」、「初馬」(以上掛川市)地区を国営受益地として新たに取り込みました。

事業の概要

※関係市町の名称及び記載順は、『国営大井川用水土地改良事業計画書(平成12 年2 月)』による

主な工事内容

取水工

注:上段(  )は上水、工水及び発電用水を含む取水量。

頭首工
用水路工

注:(  )は上水、工水及び発電用水を含む通水量。

調整池
小水力発電施設
水管理施設